廣瀬事件の経緯 | 猫詐欺防止のために動き始めた人のブログ。

猫詐欺防止のために動き始めた人のブログ。

川崎猫虐待虐殺事件(廣瀬勝海事件)被害者の一人であるみりんたらのブログです。
裁判終結まで事件の関連情報を掲載していきます。
リンク・転載大歓迎。承諾も不要です。いろんな人にこの事件について知らせてください。

私たちがどのような経緯で廣瀬に遭遇し、子猫たちを取り戻したか詳細に記しました。
このような人間が実際にこの世に存在するのだということを、子猫の里親を探されるすべての方に知っていただきたいと思います。


以下、経緯です。------------------------
10月22日、こちらの募集に対し、住所、氏名、連絡先、飼育環境等、必要と思われる内容を網羅したメールが届きました。
その翌日、こちらからのメールの返事を受けて、電話で連絡が入りました。
電話でいきなり連絡をしてくる人はほとんどいないので、珍しいと思いました。
離婚しているが、元の奥さんが身元保証人になってくれる、なのでぜひお見合いさせてくれと言っていました。
そのためお見合いの日程がすぐに決まり、H氏は数日後にお見合いにやって来ました。

そのとき両手に猫のひっかき傷が多数あったのですが、H氏はこちらが尋ねる前に、次のように話しました。
「不妊手術をするためにノラ猫を捕まえたときにひっかかれた。猫が好きなので、外で発情して騒いでいると近所から苦情がきてかわいそうなことになる。だから捕まえて病院に連れていっている。前の猫が世話になっていた病院があってその先生が手術代を安くしてくれて、半額の12000円にしてくれた。」
素手で捕まえたんですか?と聞くと、素手で捕まえたと言いました。
素手では危険ですよ。捕獲機があれば便利ですよ。と言うと、捕獲機に異様に関心を示していました。

希望していたのは生後3ケ月月弱の白黒のオスで、H氏はオスに強い興味を持っていました。
そして、まだ他にも1匹かわいい子がいると聞くと、そっちも見てみたいと言い出しました。
こちらも生後3ヶ月弱のキジ白のオスで、H氏は一目見るなり、この子にします。と言いました。
白黒の子は心臓に雑音があるんです、と言うと、それでもいいですよ、わかった上で引き受けます。と言ってくれました。
今にして思えば、そんな都合のいい話しはないと思うのですが、そのときは、いい人だなぁと単純に思ってしまいました。

結果的に、白黒のオスとキジ白のオスの両方を譲渡することになりました。

最寄駅まで送り届ける車中、H氏は、「動物虐待をする人間の話しをよくと聞きますが、まったく信じられないですよねぇ。あんなかわいい子たちにそんなひどいことをする人間がいるなんて、ほんとにひどいことですよ。」などと、こちらが聞きもしないのに語っていました。

お届けの日(11月2日)、私ともう一人のボラさん、保護主の3人でH氏の自宅へ向かいました。
保護主は、川崎で猫を虐待している男がいるという話しを友人から聞いていたそうで、男性の一人暮らしという点ですでに不安を感じていたようです。
でも、こちらに里親探しを頼んでいるという気持から、それを言えないでいたようです。
私としては、保護主の気持ちをくみ取ってあげられなかったことをとても申し訳なく思っています。

自宅は崖の上に建っている変わったアパートで、階段の途中に、大きな血だまりをぬぐったような跡がありました。
不吉な予感がしましたが、疑っては悪いという気がして、誰か転んで怪我をしたんだろうと言い聞かせました。

呼び鈴を押すとH氏が出てきました。
片方のまぶたに大きなできもののようなものができています。
両手には、新たな傷痕がたくさん増えていました。
また捕獲をして病院に連れて行ったと言います。これが2匹目で、最近ボランティア精神に目覚めた、と言っています。

部屋にはロフトが付いていました。先住猫は、そのロフトまで上がったり降りたりして遊んでいたそうです。
知人から譲り受けたアメショーで、老衰で亡くすまで10年間大事に育てたと言っていました。
写真を見せてくださいと言って見せてもらったのですが、その子の写真はパソコンの中に2枚ほどしかありませんでした。
蘭丸ちゃんという名前でしたが、とても老衰で死んだとは思えないような若い猫に見えました。彼はこちらが聞くよりも前に、そんな年寄りには見えないでしょう。若く見えたんですよ。と言っていました。
同じフォルダーの中に入っていたのは、その2枚以外はどれも違う猫の写真ばかりでした。(2枚ずつくらい30枚くらいありました。)
今思えば、他の猫たちの写真についても、どういった写真なのか確認すべきでした。
でも、その場で元奥さんとも普通に電話で話しをさせてもらったため、またもや安心できる人だと思いこんでしまいました。

もう少し何か聞かなくてはならないと思っていると、部屋に置いたキャリーの中に、犬のリードが大量に入っているのが見えました。
これは何に使うんですかと保護主さんが聞くと、
「先住猫を、留守中にこのリードを連結して長くしてつないでおいたんです。でもやっぱりだめですね。1回使っただけで使うのをやめました。外に出て階段を降りて一番下まで行ったら鳴き声がして、驚いて戻ったら、猫が棚から宙ぶらりんになってぶら下がっていて、驚いて放しました。」
という答えでした。
リードの危険性を伝え、そういうことはやめるよう言いましたが、冷静になって考えればおかしなことばかりです。
アパートの外階段を一番下まで降りると、そこからH氏の部屋までは高さが10メートル以上はありますから、部屋の物音など聞こえようもありません。
しかも、そのリードはどれもとても新しく、それがいまだにそこにある理由も分りません。
でも、その時点ではにこやかなH氏に対し、お断りするために必要な決定的な理由も見当たらず、そのままお譲りすることになりました。
条件面で問題があれば断るのは簡単ですが、主観的な理由でお断りするのはとても難しいと感じました。
その日は、子猫をお渡しして、子猫と一緒の写真を撮らせてもらい、誓約書にもサインと押印してもらって帰宅しました。

お届けの翌朝(11月3日)、8時過ぎに、H氏から唐突に電話が入りました。
単なる近況報告でした。近況報告のために早朝に電話をしてくるなんて、やっぱり変わっていると思いました。
パソコンを開くと、写真つきのメールも送られてきていました。名前もつけて、2匹とも元気いっぱいロフトに上り下りして遊んでいる、ということでした。

その日の夜、保護主の方から、やっぱりどうしても不安で夜も眠れないという連絡がありました。
写真つきのメールを見ても不安なのですと。
私はそれを聞いて、私も同じように不安な気持ちだったのに、どうして手渡してしまったのだろう、ここまで不安にさせる方に里親になってもらう必要などどこにもないと、ようやく目が覚めました。
それでも、もしかしたらやっぱりいい人なのかもしれないという気持ちがぬぐい去れなかったため、行動に移る前になんとか確証を得たいと思いました。
そこでH氏に電話をして、理由を付けてかかりつけの動物病院の名前を聞き出しました。(どうしてお見合いのときに聞かなかったのか、本当に悔やまれます。)
蘭丸ちゃんはそこに通ってらしたんですよね?のら猫の不妊手術もそこでしてもらったんですよね?と聞くと、そうですそうです、と2つ返事です。
それじゃ、先生に、Hさんのお名前を言えばすぐにお分かりいただけますよね?と聞くと、分ります分りますと、また2つ返事です。

その日はもう夜も遅かったので、翌朝(11月4日)、その動物病院に確認の電話をしました。
個人情報なのでなかなか教えてくれなかったのですが、H氏の手の傷のこと、そちらで半額で不妊手術をしてもらったと言っていることなど伝えると、危機感を持ってくださったようで、折り返しの電話で次のように回答してくださいました。
「蘭丸ちゃんという猫の飼い主で、Hさんという方はこちらにはいらっしゃったことがありません。不妊手術もしていません。ここはノラ猫だからといって手術料を安くすることもありません。その方と同姓同名の方は、8月に一度だけ見えていますが、その時に連れてきたのは、900グラムの三毛猫の女の子です。」

私は猫を取り返す決心をしました。
もう一人のボラさんに伝えると、会社を半休して来てくれるとのこと。主人にも同行してもらって、3人で急いで現地へ向かいました。
現地付近に着くと、ちょうど交番がありましたので、念のため立ち寄りました。
巡査に、この辺で動物虐待の噂などないか聞きましたが、そのような話しは聞いていないとのこと。
私は事情を話し、今後警戒して欲しいと伝えました。

H氏は在宅の仕事をしていると言っていたので、いるはずです。
アパートの階段を上ると、先日の血だまりに新しい血が増えているように見えました。
2,3段あがると、手すりのそばに、したたった新たな血痕があります。
恐怖のあまりどうかなりそうでしたが、ただただ子猫を助けたい一心でアパートの玄関に向かいました。
手渡してからまだ2日です。昨日は写真が送られてきている、まだ子猫は生きているはず、 そうあって欲しいと祈りました。

呼び鈴を押してドアが開くと、恐ろしい形相をしたH氏が立っていました。
手の傷をよく見ると、相当古い傷もあるようです。
親指に巻いた絆創膏からは生々しい出血の跡が見えました。
顔面も、目の上の傷というか腫れがひどくなっていて、片眼は激しく充血し、とにかく何か変調が起こっているようでした。
私は気力を振り絞って、「保護主の方が精神的に不安定な方で、男性の一人暮らしという点が心配でパニック障害に陥ってしまったので、子猫を返していただきたい、私としてはHさんにぜひ里親さんになってもらいたかったのだが残念なことになって申し訳ない」と伝えました。
H氏は突然柔和な顔になり、「そうなんですかぁ。それは気の毒ですねぇ。それじゃ、お返ししますねぇ。いいところにもらわれて行くんだよ~。」
と言って、2匹を部屋の奥のケージから連れ出してきました。
私たちは震える手で子猫をキャリーに納め、アパートを後にしました。

子猫たちは生きていましたが、鼻血が出ています。
元気もなくぐったりしています。

戻ってすぐにかかりつけの先生に診てもらうことにしました。
かかりつけの先生の見立ては違いました。
鼻血は、何かにぶつかったために出たもので、2匹とも眼底出血をしている。
白黒ちゃんは特にひどく、打撲で鼻筋が腫れている、と言われました。
また、今までこの子たちがかかったことのない風邪にかかっているようなので、その部屋には他にも猫がいたのではないか、と言われました。

怪我は、虐待とは言い切れないが、虐待の可能性がないとも言えないものでした。
でも目からも出血していたと思われるので、気づかなかったはずはない。と先生には言われました。
H氏は、取り戻した日のお昼にも保護主さんに写真つきメールを送ってきていました。元気いっぱいですと。
でも今になってその写真をよくよく見てみると、2匹ともすでに怪我を負っているのが分かりました。
ぐったりしているようで、手にも鼻にも血がついています。
どうして気づかなかったのかと悔やまれます。

その後の調べで、本人が子猫を「床にたたきつけた」と証言していることが分りました。
かわいそうなことをしてしまいました。
すべて私の不注意から起きたことです。
二度と里親さんを探すことなどできそうにありません。

以上です。
長くなってしまってすみません。
別の被害者の方は、猫を川に投げ捨てられたそうです。
事件の立件のため、今必死でその猫を捜索していらっしゃいます。
現時点で分かっているだけでも、6人の被害者が判明しています。
それとは別に、H氏の自宅アパートのすぐ横で、保護主が不明の猫の遺体も3体発見されていますが、非常に残虐な殺され方をしています。

廣瀬は、3日~5日という非常に短いスパンで猫を譲り受けていますので、被害が十数匹ということはないと思います。
私たちのようなボランティアではなく猫をたまたま保護したような人の場合、廣瀬に猫を手渡していたとしても、その後どうなったかということを確認することもなく、それっきりになっていると思います。
実際の被害がどれほどになるのか、想像するだけで恐ろしいです。